治療について

抗精神病薬と併用される薬

 2018/4/15 

抗精神病薬の効果を引き出したり、足りない部分を補うために、補助的な薬が治療に用いられます。過度の不安や緊張には抗不安薬が用いられます。不眠症状に対しては睡眠薬が用いられ、抑うつ症状には抗うつ薬が使用されます。幻覚や妄想と躁うつ気分が混合して見られる場合には、気分安定薬が用いられます。

抗精神病薬により、パーキンソン症状などの錐体外路症状の副作用が見られる場合には、抗パーキンソン病薬が用いられます。

抗精神病薬は単独で用いて治療するのが望ましいですが、足りない部分を補うために、補助的に抗精神病薬以外のお薬を使用することがあります。

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(1)睡眠薬

不眠が続き、生活リズムが不規則になると、統合失調症は増悪します。精神症状により、不眠となった患者さんが良質な睡眠を得るために、睡眠薬がしばしば必要になります。

ただし、睡眠薬は長期間に渡り漫然と使用するのではなく、2週間を目安に適切な使用を心がけなければいけません。

(2)抗不安薬

抗不安薬は文字通り、不安や焦り、緊張を抑える(改善する)お薬です。

統合失調症では、錐体外路症状などの神経症状の緩和に用いられることもあります(トラゾドンなど)。

抗不安薬は主にベンゾジアゼピン系薬剤であり、長期の使用で依存性と耐性が出現し、だんだんと効かなくなってきます。また、反跳不眠などの副作用も生じてくるため、主治医と相談し、適切な使用を心がけなければいけません。

(3)気分安定薬

抗てんかん薬を含む気分安定薬の多くは、統合失調症の薬物療法に適応外使用されています。日本で発売されている気分安定薬のうち、統合失調症に適応がある気分安定薬は、カルバマゼピンのみです。カルバマゼピンは、興奮・攻撃性の強い統合失調症での効果があり、統合失調症に適応があります。

気分安定薬は、主に第二世代抗精神病薬(SGA)の鎮静作用を補う目的で使用されます。多くの症例で、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン、炭酸リチウムの順に使用頻度が高い傾向にあります。

気をつけなければいけないのは、アリピプラゾールとバルプロ酸ナトリウムとの併用で、アリピプラゾールの血中濃度が約30%低下します。カルバマゼピンとの併用では、アリピプラゾールの血中濃度は70%低下します。

炭酸リチウムは、抗精神病薬との併用により、衒気的な行動と姿勢、非協調性、興奮、精神病性興奮及び抑うつ状態に効果が認められるという報告がありますが、その一方で感情障害のない統合失調症には無効であるとの報告があり、現時点では治療抵抗性統合失調症に対する炭酸リチウムの増強効果は期待できないと考えられています。

(4)抗うつ薬

統合失調症の陰性症状に対して、抗うつ薬が用いられることがあります。現在、国内で発売されている抗うつ薬で統合失調症に適応のある薬剤はスルピリドのみですが、様々な抗うつ薬が適応外使用されています。統合失調症後の抑うつに対して、抗うつ薬が有効であったとの報告はありますが、エビデンスは確立されていません。

SSRI、フルボキサミンが陰性症状に有効であったとの報告や、パロキセチンが統合失調症後抑うつに有効であり、統合失調症における強迫性障害に有効であったとの報告があります。またセルトラリンが統合失調症後抑うつに有効性があったとの報告もあります。

本来、抗うつ薬はうつ病や不安障害に用いる薬剤であるので、統合失調症での使用に対しては、慎重に判断する必要があります。

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