活⽤できる資源や制度

障害年金について

 2018/4/15 

(1)障害年金

障害によって、十分な収入が得られない人のための、所得保障制度です。

障害年金の申請は、年金制度の複雑さや手続きの煩雑さから、手間と時間がかかります。また、精神障害の場合、医療機関を転々として初診日が不明であったり、障害特性として、障害受容や病識獲得の困難さ、認知機能の低下、無気力・集中力が続かないなどがあり、手続きも一層困難になります。障害年金の手続きは、病歴を振り返ったりする必要があり、年金も受給者の通帳に入るため、申請をする際は受給者に説明をした上で手続きをすることが望ましいです。

手続きに関しては、医療機関の相談室でもサポートしていますので、お気軽に相談してみてください。

(2)障害年金受給の条件

① 初診(現在の傷病について初めて医師の診療を受けた日)から1年6ヶ月経過していること

② 20歳から初診日までの3分の2の期間年金を納めている又は、初診日の直近1年間年金を納めていること

③ 現在の状態が障害年金の級に該当しそうか

その他に、細かく違う条件があります。

(3)障害年金請求の方法

① 認定日(本来)請求
初診から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)に請求

② 事後重症
障害認定日の時点では障害状態が軽度だったが、その後悪化した場合など、認定日から期間が空いて申請する場合のことで、遡求請求とも言います。例えば、障害年金の制度について知らず、初診日から数年たって知った、なんてこともあります。その場合、障害認定日の診断書を作成することができたら、最大5年間遡って申請が可能です。

(4)障害年金請求後の年金の支払いについて

  • 年金は、2ヶ月に1回、偶数月の15日に支払われます。
    年金額が記載された年金振込通知書は年1回毎年6月に送付されます。
  • 老齢年金は所得税がかかりますが、障害年金と遺族年金は非課税です。

例えば、遡求請求をして障害基礎年金2級で通った場合は 障害年金2級の年額786,500円×5年間=3,932,500円が支給されます。

(5)障害年金申請の流れ

① 主治医と相談
年金の級は、主治医が判断するわけではありませんが、障害年金の級に該当する程度の症状でないと、診断書料が無駄になります。ただし、申請したからといって必ず通るわけではありません。

② 初診日の特定
現在の傷病の初診日を特定します。
初診日から現在まで通院していた医療機関名・期間・病名・治療内容も確認しておくと良いです。

③ 事後重症で申請する場合、障害認定日の受診歴の有無と、認定日時点での状態を確認する
認定日に一定の障害があると証明できれば遡求請求ができるため、合わせて障害認定日時点での状態を確認しておきましょう。 遡求請求の場合で、障害認定日の診断書が、廃院やカルテの破棄により取得できない場合は、事後重症での申請となり、遡求請求できません。

④ 保険料の納付状況を確認する
請求の窓口で、障害年金を申請する要件があるか調べてもらいましょう。
要件が確認できたら、必要書類をもらえます。
初診時の状況を記載する受診状況等証明書と、認定日や現症を記載する診断書があります。

⑤ 診断書の作成を各医療機関に依頼、本人が記入する書類の作成、戸籍や住民票など、必要書類を入手する

⑥ 窓口へ書類を提出する

(6)申請

初診日や治療歴、認定日請求か事後重症か、医師が診断書を記載できそうか(障害の状態が一定以上か級に該当しそうか)を問われるため、あらかじめ分かる範囲でメモを作っておいて持参しましょう。

(7)初診日について

初めて医師の診療を受けた日です。診察を受けた医師が必ずしも精神科医である必要はありません。

現在と病名が違っていても、関連性があれば可能です。

例)最初は不安障害と言われていたが、その後の診察で統合失調症と診断されたなど。

・医療機関へ長期間受診せず、無症状で問題なく生活が送れていた場合などは、再度発症して受診した日となります。一方、長期間受診がなくても症状がありながら生活していた場合は、障害が継続していたということで診断書が作成できる場合もあります。

・アスペルガー障害を含む広汎性発達障害については、障害の状態が出てきて初めて受診した日になります。

・先天性疾患でも初めて受診した日が初診です。
知的障害は、先天性、または出生後の早い時期に、何らかの原因で生じる障害なので、初診日がいつであるかに関わらず、「20歳前初診の障害基礎年金」として扱われることとなっています。

(8)診断書について

① 受診状況等証明書
初診証明。現在の病気に関連して、最初に受診した医療機関へ作成を依頼します。精神科以外の医師だと証明書を記載してもらえない場合も多いので、相手に説明が必要です。診療録の保存期間は5年間です。初診時の診療録が処分されていたり、廃院となっている医療機関もあります。受診状況等証明書が用意できない場合は、2か所目以降で作成可能な最も古い医療機関に受診状況等証明書の作成を依頼し、「受診状況等証明書が添付できない理由書」という書類(窓口で受け取れます)を添付します。

② 障害認定日・現症 の診断書の作成
認定日請求と事後重症の場合は診断書1枚、訴求請求の場合は診断書2枚です(受診状況等証明書除く)。
年金の診断書は、精神科を標榜する医師でなくても記入可能です。

例)てんかん、知的障害、発達障害、認知症、高次脳機能障害→小児科 脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科、老年科

初診時の病名と認定日や現在の病名が違う場合は、因果関係について記載が必要です。診断書の現症は、請求日(窓口へ書類を提出する日)以前3ヶ月以内とされています。

(9)保険料納付要件について

① 3分の2要件
初診日の属する月の前々月までの加入期間について、納付済期間+免除期間が納付すべき期間の3分の2以上、納付していること

② 直近1年要件
初診日が平成28年3月31日以前の場合は、初診日の属する月の前々月までの1年間に、保険料の滞納期間がないこと

(10)障害年金の所得制限について

20歳前の初診で障害基礎年金を受給している人(無拠出)は、所得制限があります。目安の金額は年収500万円です。年収400万円で、年金額がおおよそ半額となります。アルバイトなどでは上限を超えることはありませんが、不動産の収入などがある方は、支給が止まる方も稀におられます。

無拠出とは、保険料の拠出をしていないことです。

(11)障害年金額

  • 障害基礎年金 1級:年額983,100円(月額約82,000円)
  •        2級:年額786,500円(月額約65,000円)

障害基礎年金は定額です。
障害厚生年金1級、2級の人は、障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされます。
障害基礎年金に3級はありません。
障害厚生年金1級、2級の人に配偶者がいる場合は、配偶者加算(226,300円)が付きます。
障害基礎・厚生年金ともに、子の加算があります。
1人目、2人目 各226,300円、3人目以降 各75,400円(年額)

障害年金と児童扶養手当

子が加算の対象となっている場合は、児童扶養手当は支給されません

母子・父子家庭の母、または父に障害基礎年金が支給されている場合は、年金が優先されます。児童扶養手当の額が多くても、年金が支給されます。

(12)障害年金とその他の年金(老齢・遺族年金)について

① 障害年金と老齢年金
障害基礎年金を受給している人は、国民年金の保険料が法廷免除されます。そのため、老齢基礎年金が低額となる傾向にあります。障害基礎年金2級は、満額の老齢年金と同じ額です。65歳になったときは、障害基礎年金と老齢または障害厚生年金の併給となります。

② 障害年金と遺族年金
共済年金では、遺族年金を受けている人が死亡すれば、さらに次の人に遺族年金を引き継いでいくということがあります。死亡した人が共済年金の場合は、父親が死亡した時点で、子が20歳を超えていても、共済組合法の1級または2級の障害者であれば、遺族共済年金の受給権があります。母親が遺族共済年金を受けており、母親が死亡後、遺族共済年金か障害年金かのどちらかを選択することになります。
死亡した人が厚生年金の場合、死亡時点で障害の状態にあっても、20歳を超えている子は、遺族厚生年金・遺族基礎年金の対象になりません。また、20歳前に受給権があっても、20歳になれば失権します。

(13)障害年金と傷病手当金

傷病手当金は、病気やケガなどで会社を休み、給料がでないときに支給され、上限が1年6ヶ月です。障害年金は、申請が初診から1年6ヶ月経過していることが条件となるため、両方の給付が重なることがないようになっていますが、場合によっては重なることもあります。

この場合、年金額の方が多ければ、障害基礎年金・障害厚生年金が支給され 傷病手当金は支給停止となります。傷病手当金が多ければ、年金の支給額を差し引いた額と、障害基礎年金・障害厚生年金が全額支給されます。実査は、傷病手当金の方が多くなるケースがほとんどです。

例)障害厚生年金3級(4万円)受給中に、傷病手当で10万円支給される場合。障害年金から4万円、傷病手当から6万円の支給となります。

(14)病名による給付の制限

故意にしたことにより障害となった場合は、全額または一部を給付されない場合があります。しかし、以下は給付の制限の対象にはなりません。

  • 覚せい剤であっても自己の意思によるものではなく、 強迫や暴力により強制的に中毒にさせられた場合
  • 塗装の仕事で、シンナー中毒になった場合
  • アルコール中毒による精神障害 アルコール摂取そのものは合法的な行為である為

(15)障害年金の更新について(障害状態確認届)

障害年金受給後、1〜5年に1回、障害状態確認届(診断書)を提出しなければなりません。

提出の時期になると、年金機構から診断書が送られてきます。それを医療機関に提出し、主治医に記載してもらいます。

通常が誕生月の末日ですが、20歳前初診による障害基礎年金の場合は、7月末が期限となっております。

必ず医療機関で診察を受け、提出期限の1ヶ月以内に作成されたものを提出するようにしてください。例えば、7月末までに提出が必要であれば、7月中の受診とその時の状態の記載が必要です。

提出指定日を過ぎても提出のない人は、誕生月の直近の定期支払い月から支払いが差し止められ、差止通知書が送付されます。

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