活⽤できる資源や制度

自立を支援する社会資源

 2018/4/15 

精神障害者が法律の中で「障害者」として位置づけられたのは、1993年の障害者基本法です。1995年に精神保健福祉法改正で福祉施策の基盤が整い、強化されていきました。このとき、「自立と社会経済活動への参加」が目的に加えられました。精神障害者に対する障害福祉サービスは、身体・知的障害に比べて歴史も浅いです。

(1)住む場所

① 在宅
精神症状が安定していたり、家族などの支援が得られれば自宅での生活が可能です。自宅に家族がいても、患者さんの精神状態が不安定になることで、家族にとって著しい負担がかかることもあります。そうした場合には、在宅以外の選択肢も考慮しなければいけません。

② グループホーム
共同生活を行う住居で、相談や日常生活上の援助を行います。多くの場合、朝晩の食事が提供され、日中は活動する場所へ通うことが求められます。期限は特に設けられていませんが、グループホームで体調管理や身の回りの事をできるようになると、一人暮らしや実家での生活などへ移行していきます。

  • 薬の飲み抜かりがある
  • 掃除ができない、仕方が分からない
  • お金を計画立てて使うことができない など

上記のような困り事がある場合は、薬が飲めているか確認をしたり、掃除の仕方やお金の使い方を一緒に考えたります。地域の清掃や行事ごとにも参加します。仲間がいることの安心感が得られます。また、職員がいることで困ったことや分からないことがあっても、その都度相談ができます。共同生活なので、規則や決まりを守って生活します。入浴や食事は時間が決まっています。

居住形態は様々で、戸建てでトイレ・お風呂は共同のところもあれば、各部屋にトイレ・お風呂があるところもあります。また、2LDKなどのアパートの一室をグループホームにしているところもあります。食事は基本的に食堂で食べます。

③ 宿泊型自立訓練施設
自立訓練には、身体能力を向上する訓練を行う機能訓練と日常生活上の訓練を行う生活訓練 があります。精神障害者の場合は生活訓練を利用し、利用期間は2年間(最長3年間)です。自立した日常生活や社会生活を行う事ができるよう一定期間生活能力の向上のために必要な訓練を行います。
一人暮らしやグループホームでの生活を目指し、自分で行う事ができないことについては、職員と相談しながら、自分でできるようにやり方を工夫します。日中は作業所やデイケアなど活動する場所への通うことが求められます。

(2)日中過ごす場所

障害福祉サービス

① 居宅介護(ホームヘルプサービス)
掃除・洗濯・料理などを、支援者にサポートしてもらいます。家事ができないと言っても、病状からできない場合や、経験不足からできない場合など様々です。個々にあわせて、支援者に全てしてもらうのではなく、一緒に行うことによって、できるように支援していきます。
利用の仕方はそれぞれで、希望する時間や利用の仕方を話し合います。例えば週2回利用して、1回は掃除、もう1回は料理の援助をしてもらいます。ただし、同居家族がいる場合、その家族が要介護や要支援状態でないと利用が難しかったり、共用の台所や風呂場の掃除をしてもらえなかったりする自治体もあります。
通院介助では、外出や公共交通の利用が単独では困難な場合などに、ヘルパーが通院に同行します。人混みに入ることで幻聴が悪化したり、妄想が悪化する事があります。そういった方に対し、公共交通を一緒に利用し、通院に同行します。

② 通所型自立訓練施設
宿泊型同様、利用期限は2年間(最長3年間)です。プログラムへ参加することを通して、自立した社会生活を行う事ができるよう必要な訓練を行います。パソコンの練習をしたり、SSTをしたり、運動をするプログラムがあります。

③ 短期入所(ショートステイ)
自宅で支える人が病気になったり、旅行へ行ったり、休息したいときに短期間、夜間も含め施設で、身の回りの生活の援助を行います。施設には他利用者もいるため、共同生活ができ、施設の規則に適応することが求められます。

④ 就労移行支援
65歳以下の方で、一般企業への就職が困難な人に、働く場所を提供するとともに、知識や能力の向上のために必要な訓練を行います。利用期限は2年間と決められています。

⑤ 就労継続支援(A型・B型)
(A型)
雇用契約を結ぶため、最低賃金が発生します。月一定以上の出勤が求められます。また、原則として休まず通えることが前提です。
(B型)
体調に応じて週数日、半日から利用を開始することができます。雇用契約を結ばないので最低賃金は発生しません。収入は工賃と呼びます。

医療サービス

① 訪問看護
医師の指示により、看護師・作業療法士・精神保健福祉士などのスタッフが自宅や施設へ訪問します。
本人や家族の困りごとがあれば伺ったり、助言をしたり、機能訓練の援助を行ないます。対話をする中で精神症状の変化の有無を確認したり、内服薬の管理を行います。訪問した状況を医療機関に報告し、連携します。24時間対応のステーションもあります。

② 精神科デイケア(医療機関or市町村が主体)
生活リズムを整えたり、人づきあいなどコミュニケーション方法を学んだり、創作活動をすることを通してリハビリテーションを行います。精神疾患の治療において生活リズムを整えることは、病状の安定につながります。また、スタッフとして、医師、看護師、臨床心理士、精神保健福祉士、作業療法士などがいるため、日常のちょっとした変化や気になることをすぐ相談することができます。そのような相談できる人がいるということで、安心感が得られます。そのほか、家族も休息することができます。家族は、常に直接的な対応を求められます。仕事から帰って疲れた状態、家事や介護の合間など、一日の中で多くの時間を一緒に過ごすことになります。そのため、家族も疲れてしまいます。そうならないためにも、家族とも適度な距離を保つことが必要です。
利用する場合は医師の指示が必要です。利用を希望される場合は、主治医に相談しましょう。
利用時間は以下の3通りあります。機関によっては、デイナイトケアやショートケアをしていない機関もあります。

  • デイケア   :6時間 (例:9時30分〜15時30分)
  • デイナイトケア:10時間 (例:8時30分〜18時30分)
  • ショートケア :3時間 (例:9時30分〜12時30分)(例:12時30分〜15時30分)

デイケアでは様々なプログラムがあり、興味のあるものから参加されるのも良いです。また、地域の社会資源の情報も入手できます。

デイケアによって、年齢層や性別、疾患など様々です。また、復職支援のプログラムをメインにしているところもあります。

病院や診療所の他に、市町村主体で行っている場所もあります。デイケアに通いたいけれども、通院している医療機関までは遠いという場合は、市町村に相談しみても良いでしょう。家族と参加をしてもよいという市町村のデイケアもありますので、家で引きこもりがちな生活をしている場合、家族と一緒に参加してみるのも一つです。居住している地域で当事者や家族が悩みを相談でき、交流する場として利用できます。送迎を行っている地域もあります。

デイケアの一例

  •  9:30 開始
  •       朝のミーティング、健康チェック
  • 10:00 午前のプログラム
  • 12:00 昼食、休憩
  • 13:00 午後のプログラム
  • 15:00 帰りのミーティング、掃除
  • 15:30 終了

その他

① 地域活動支援センター
創作的活動や生産活動(軽作業)の機会の提供、社会との交流や相談などを行う施設です。デイケアのように医師の指示は必要なく、参加したいときに通うことができます。

② 宅配弁当(配食サービス)
お弁当を配達してくれるサービスです。単身生活で食事の準備ができなかったり、バランスの良い食事が取れない場合に利用します。障害者に限らず、高齢者などでも利用するサービスです。

(3)金銭管理のサポート

① 日常生活自立支援事業
判断能力に少し不安がある人を対象に、日常的な生活援助の範囲の支援を行います。預貯金の出し入れなど日常生活上の金銭管理や、自分に合った福祉サービスを一緒に考え、利用の申し込みを行います。自宅へ訪問し、お金を届けたりもします。そのほか、定期預金証書や実印などの管理も行います。
ただし、多額の財産や不動産の管理などは行う事はできません。

② 成年後見制度
判断能力が著しく不十分な人を対象に、財産管理や身上監護に関する契約等の法律行為全般を行います。例えば、施設や入院への契約、不動産の売却や遺産分割などを行います。判断能力に応じて、後見・補佐・補助と分かれており、行える権限が異なります。日常生活自立支援事業とは異なり、家庭裁判所へ申し立てを行います。

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代理権とは、本人に代わって契約などの行為を行う権限です。

同意権とは、同意を得ないでした契約を取り消すことができる権限です。

申し立ては、本人・配偶者・四親等内の親族等が行う事ができます。

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