精神科医の声

精神科医が勧める書籍

 2018/4/15 

(1)統合失調症 正しい理解と治療法

統合失調症を正しく理解し、適切に付き合っていくために、イラストを使いながらわかりやすくまとめられています。統合失調症の治療や対処法を、病気のステージに沿って解説されており、患者さん・ご家族、それぞれの立場に即したアドバイスを挙げるなど、すぐに役立つように、わかりやすくまとめられています。

臨床の場でも、患者さんの御家族に説明する時、この本をお勧めさせていただくことが多いです。安価で、かつあっという間に読めるので、初めて『統合失調症(以前は精神分裂病と呼ばれていた)』と向き合う時、まずはこの本を読んでみる事を強くお勧めします。医学的に見ても、信頼出来る1冊です。

(2)マンガでわかる!統合失調症

統合失調症を、わかりやすい漫画と解説で詳しく説明している、ボリューム満点の本です。発症から回復までが描かれています。社会資源や回復までの道のりが詳しく描かれており、福祉従事者、医療関係者を目指す人が読んでも、非常に勉強になります。Amazonでも評価が高く、是非一度読んでいただきたい本です。

(3)マンガでわかる!統合失調症(家族の対応編)

『マンガでわかる!統合失調症』の続編で、家族の対応をテーマに書かれた本です。統合失調症との付き合い方、心穏やかに暮らすための接し方の工夫やヒントが、漫画で詳しく書かれています。

薬だけではフォロー出来ない部分に焦点を絞り、回復への道筋を一緒に考えるというコンセプトで書かれています。特にこの本の中では、患者さんをコントロールしようとせずに、あるがままを受容すること、これがいかに患者さんの寛解を早めるのに重要であることが言われています。ご両親・ご家族のみならず、ご本人、医療関係者、福祉関係者など、あらゆる方面の人にオススメ出来る1冊です。

(4)統合失調症

精神科専門医の著者が書かれた本です。

統合失調症という疾患の背景、その疾患のメカニズム、治療技術、回復の過程など、最先端の知識を交えてわかりやすく、詳細に描かれています。

レベルは少し高めなので、まずは上に書いたような入門書を読んでから、この本を読んだ方が、内容は理解しやすいと思います。専門家が読んでも得るものは多く、著者の情熱を感じる1冊です。

(5)精神科の薬がわかる本

精神科で処方されるお薬が、詳しく書かれた1冊。

まさしく、『精神科で出された薬がどんな薬なのか知りたい!!』というニーズにドンピシャな一冊です。薬剤も、一般名と商品名の2種類で書かれており、ざっくり理解するには、非常に便利な1冊です。医療の現場だけでなく、調剤薬局などにも置かれていることが多い名著です。

【医師・医療関係者に向けて】

精神科医は、ガイドラインを尊重して治療を行うのはもちろん、常に新しい知識を仕入れ、治療を行わなければいけません。疾患や薬についても深い理解が必要です。癌や外傷を扱う他の科と違い、精神科医師は『目に見えない対象』と向き合っています。そのため、他の科よりもなお一層、ガイドラインやエビデンスなどを重視しなければいけません。

ここに挙げる本は『最低限の知識として』読んでから、臨床を行って欲しいと思っています。

(1)ストール精神薬理学エセンシャルズ精神科学的基礎と応用 第4版

難解な精神薬理学についての細心の知識が、オールカラーの図により、非常にわかりやすく解説されています。本文を読まなくても、わかりやすいイラストで描かれているカラー図版を「眺める」だけでも、理解できることが本書の特徴です。

最新の基礎的神経科学、および精神薬理学知見を、膨大なカラーイラストにより、多職種チームのコメディカルの方々にも理解しやすく説明されているので、今後、精神科医療の核のとなる「多職種チーム」における精神薬理学知識の共有にも役立つと思います。

様々な分野で活躍の精神科臨床医の先生のみならず、プライマリーケアーで多くの精神科疾患の患者さんを診察せざるを得ない先生、メンタルヘルスで薬物療法が不十分なのでなないか、と感じられている産業医の先生、臨床の場面で服薬指導を行わないといけない薬剤師の先生、これから専門医を試験を受ける若手の先生が、精神薬理学について勉強するのに、とても適していると思います。

精神科医として、他の精神科医と議論する上でも、まず『知識の土台』が必要です。この1冊は絶対に理解しておかないといけません。

(2)精神科治療薬の考え方と使い方第3版「ストール精神薬理学エッセンシャルズ」準拠

抗精神病薬だけでなく、抗うつ薬、パーキンソン病の治療薬、抗てんかん薬についても解説がされています。治療について、初期投与からどのように増量していくか、途中のモニタリングをどうするか、また無効な時にどう変薬するかなどの重要な事柄が、詳細に書かれています。

近年、抗精神病薬の副作用である代謝系の異常(特に体重増加、高血糖、高脂血症など)が指摘されています。患者さんも『インターネットで調べて副作用があると書いてあったので、内服したくありません』と、診察中に仰ることが多くなりました。正しい知識と副作用への理解が、当たり前の時代です。しっかりと勉強する必要があります。

また、精神科治療薬による高齢者での死亡率の増加なども言われており、抗精神病薬については、今後も注意をしながら使用していくこととなります。薬についての知識は、あればあるほど武器になります。しっかりと勉強するために、この本はオススメです。

(3)カプラン臨床精神医学テキスト DSM-5診断基準の臨床への展開

臨床精神医学の教科書です。

DSM-5に準拠し、小児期の精神疾患についても、新しい診断カテゴリーとして反映されています。

ただ、臨床精神医学書として全てを網羅していることもあり、1,600ページ以上もあり、読み通すだけで、かなりの時間がかかります。また、電話帳のように分厚く重量もあるので、持ち運びはちょっと不便です。フロイト等による精神分析などについても多く触れているので、興味のある方にはお勧めです。

(4)モーズレイ処方ガイドライン

主にヨーロッパなど、世界のエビデンスやガイドラインに基づいて書かれています。世界的なエビデンスのある情報であり、かつわかりやすく書かれているため、非常に勉強になります。治療の第一選択を選ぶ時だけでなく、変薬を行う時など頼りになる1冊です。

また、医師以外の専門職が患者さんへの情報提供のために、読むのも良いと思います。エビデンスを重視するあまり、情報がやや古い場合があります。その都度論文などを読み、知識をアップデートする必要があります。

(5)統合失調症薬物治療ガイドライン

統合失調症の薬物治療について、薬剤の選択や用量、投与期間などの基準をまとめた、学会編集のガイドラインです。

初発時、再発・再燃時、維持期、治療抵抗性など、疾患の段階や状態ごとに『継続投与すべきか、中止すべきか』といった判断に迷う症例などを、可能な限りエビデンスに基づいて検討しています。

ガイドラインは非常に重要なので、統合失調症の治療に従事する医療関係者は、知っておかなければいけません。

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